庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【胚移植5回目4】SEET液

排卵確認から2日後、SEET法をしてもらうためにクリニックを訪れました。

 

受精卵を培養する際にできる培養液を保存しておき、胚移植の前にその液を子宮に注入して子宮内膜を着床しやすい状態に変化させるというSEET法。

田熊が実施した2023年12月時点では先進医療のため、自費。

それまでの過去の移植ではタイミングが合わず、移植5回目にして初めての実施となりました。

 

いつもの移植となんら変わらず、田熊が下半身丸出しで処置台に仰向けに寝て待っていると塩先生がやって来て、移植の時と同じように器具で股をゴイゴイ広げ、カテーテルを挿入しました。

そして何も感じないうちに今度は器具を抜かれ、じゃ、という感じで塩先生は去っていきました。

 

SEET液、入ったのよね...?

 

胚移植の時も卵が子宮に入ったという実感はありませんでしたが、SEET液はさらに実感がなく、44,000円という少なくない金を支払ったという事実だけを頼りに帰路につきました。

 

※ここで書いていることはあくまで田熊の体験談です。

治療の進め方や考え方はクリニックやお医者さんによって様々ですので、主治医や専門の方にご確認ください。

 

【胚移植5回目3】ルテウム

5回目の移植に向けて、着床しやすくするために田熊が処方されたのはルテウムという膣坐薬でした。

 

初めての処方ということで看護師さんからの説明があり、

「膣錠を入れた後にしばらくカスが出てくるかもしれないので、おりものシートを当てておいてください」

と言われました。

田熊は数日前からラクトフローラの膣錠を入れていたこともあり、膣錠を入れるとなんか白いカスが出ることは承知していました。

 

その日の夜から早速ルテウムの挿入を開始。

挿入後はできるだけ動かないようにじっと座って晩御飯を食べました。

そして1時間も経った頃に尿意を感じ、もう膣錠は溶けただろうとトイレへ行って下着を下ろした田熊の目にとんでもない光景が飛び込んできました。

 

おりものシート全面が、油(?)で浸っている...!?

 

そしてその油がパンツの生地にもはみ出して染みている...!?

 

油ヒタヒタのおりものシートをパンツから剥がすと、なんとパンツの生地におりものシートの糊が転写されていました。

油染みと糊は手洗いしても落ちず、そのパンツとはさよならすることとなりました。

 

調べてみたらルテウムを入れるとベタベタなものが出てくる状態はデフォルトらしく、膣錠使用期間はペラペラのおりものシートでは到底受け止めきれない量の油(?)をほぼ24時間股から垂れ流しながら日常を過ごさねばならないのでした。

その後田熊は分厚めの生理用ナプキンならパンツへのベタベタの侵蝕を防げることを知り、生理でもないのに生理用ナプキンを日中こまめに取り替える生活を送ることとなりました。

 

 

【胚移植5回目2】追加


5回目の移植周期。

生理が始まってから9日目にクリニックを訪れ排卵チェックをすると、もうすぐ排卵しそうということでその日は排卵誘発の注射を打ちました。

 

2日後にまた受診し、排卵が確認されました。

過去の凍結融解胚移植で、内膜を厚くするために移植日まで何度か筋肉注射を打った記憶があったので「この後注射か...」と身構えていた田熊に塩先生から予想外の宣告がされました。

 

「いつも打っている注射が供給不足で入ってこなくてですね、打てないんですよ」

 

え、そんなことある?

 

あとで知ったのですが、2023年12月頃、保険適用拡大による患者数急増など諸々の影響で不妊治療薬の供給が不安定になっていたそうです。

いやそれにしてもここまで来て丸腰で移植するわけには...と一瞬焦った田熊に塩先生は

「今回は卵が着床しやすくするために、膣坐薬を処方します」

と言いました。

 

まさかの膣錠追加。

しかも移植日まで朝晩...!

 

田熊の膣錠修行は続くのでした。

 

※2023年12月頃の話です

【胚移植5回目1】初めての膣錠

8回目の採卵後、1周期お休みしてから1個だけ凍結している胚盤胞を移植することにしました。

庶民なりにできることを全部やる、と決めていた田熊は食事にたんぱく質を積極的に取り入れたり乳酸菌が摂取できそうな食材を選んだり寝る前にセルフお灸をしたり早く寝たり、庶民らしい頑張りをしていました。

しかし、そこに1つだけ、庶民らしからぬ施策を取り入れました。

ラクトフローラの膣錠です。

いや妊活中の人がよくやるただのサプリ摂取かよと思うことなかれ、この膣錠は1錠500円するセレブ膣錠なのです。

※いち個人の経済観念による感想です。

 

しかもこの薬は「膣錠」、つまり膣の中に入れる薬。

坐薬の膣バージョンです。

内診や採卵や移植で散々膣に器具や何やらが入ることに慣れてはいたものの、自分の手で自分の膣に薬を入れ込むことになぜかただならぬハードルの存在を感じており、これまで手を出さずにいたのでした。

 

いろいろな方の膣錠体験談を読み漁っていると「勤務中にトイレで」というカジュアルな方もいらっしゃいましたが、いや絶対トイレの中に落とす自信しかないと思い、田熊はおっくんに毎度「絶対に寝室に入らないように」と念を押し、ベッドで仰向けになり満を辞して膣錠を入れ込むスタイルを取ることにしました。

 

※2023年11月頃の話です。

※治療やサプリについてはお医者さんによって考えが様々ですので主治医の方にご相談ください。

【採卵8回目4】凍結

8回目の採卵で胚盤胞が1個だけできました。

ゼロを回避できてとりあえずホッとした次に、田熊は塩先生に胚盤胞のグレードを聞きました。

 

グレードは3BB。

微妙...

 

いや、3CCしか移植できなかった過去がある田熊からしたら3BBでもありがたいじゃないかと思うのですが、もう残り2回しか保険移植ができないとなると可能ならAのつく胚盤胞が欲しかったというのが正直な気持ちでした。

ですが塩先生の考えではBでも見た目良好胚であることは変わりなく、AかBかはそんなに気にすることではないそうです。

 

いつもだったらこのまま新鮮胚移植をしていたのですが、今回はアシステッドハッチングとSEET法をすると心に決めていたので、胚盤胞の凍結をお願いしました。

 

【採卵8回目3】回避

8回目の採卵日は生理開始から19日目(D19)でした。

田熊史上最遅。

さらに直前の卵胞チェックでの最大卵胞は28ミリと巨大。

電車の振動だけで育てた全卵子排卵してしまうのではないかとヒヤヒヤしながら、ソロリソロリと歩きながらクリニックへ向かいました。

 

結果、採れた卵子は8個。

直前のチェックで見えていた個数と同じ数でした。

どうやら採卵前の排卵は防げていたようでした。

 

そして迎えた受精確認日。

胚盤胞到達ゼロを何度か経験している田熊にとって一番の山場。

ゼロはやめてくれ...

ダメージが本当にすごいから...

保険適用の残りの移植回数はあと2回なので、贅沢を言わせてもらえるなら2個できていて欲しい...

と願いながら塩先生と対峙しました。

 

「8個とれた卵子のうち、受精したのは2個。そのうちの1つが胚盤胞になりました」

 

1個。

ゼロじゃなかった...!

けどまた1個しか...!

 

首の皮一枚繋がった安堵感と、これだけやっても1個しかできない劣等感で感情ゴチャゴチャでした。

 

※ここで書いていることは2023年10月頃の田熊の体験談です。

治療についての考え方はクリニックやお医者さんによって異なりますので、主治医や専門の方にご確認ください。

 

 

【採卵8回目2】平均

採卵8回目。

今回もし胚盤胞ができたら、それが何個であっても凍結して、アシステッドハッチングとSEET法をやりたい旨を事前に塩先生に伝えました。

塩先生は塩なので、

「それは胚盤胞ができたらですね。まずは卵を育てることに集中しましょう」

と言いました。

 

通常、採卵時の卵胞サイズは最大でも23ミリ程度で良好な卵子が採れると言われている中、成熟卵が採れなさすぎる田熊は卵胞を最大28ミリまで育てて採卵に挑みました。

アンタゴニスト法では生理開始から大体14日目頃に採卵をする人が多い中、田熊の採卵は生理開始から19日目。

なんかすごい平均から外れすぎていて大丈夫かいなと思いましたが、ここまで不妊だと平均なんて当てにならないのも事実でして、塩先生を信じることにしました。

 

ちなみに採卵と移植を繰り返していると途中で必ず耳にする「TRIO検査」や「着床不全検査」について、やるのはどうか塩先生に一応聞いてみました。

TRIO検査については料金が高額なうえ、検査後の治療や効果について塩先生自身がいまいち納得できていないから塩クリニックで実施していない。

着床不全検査については、田熊はそれまでに2度着床だけはしているので不要と考えていると説明してもらえました。

 

庶民の田熊は元々TRIO検査に手を出すつもりはありませんでしたが、塩先生の説明を聞いてだいぶ気持ちがさっぱりしたので、疑問や迷いは逐一プロに相談するのが一番だなと思いました。

 

※ここで書いていることは2023年10月頃の田熊の体験談です。

検査や治療についての考え方はクリニックやお医者さんによって異なりますので、主治医や専門の方にご確認ください。