2022年4月の保険適用開始のタイミングで人工授精にステップアップすると腹を括った田熊でしたが、仕事をどうにかしなきゃいけなくなりました。
2021年12月当時、田熊はフルタイム勤務会社員。
週に4カ所の勤務場所を移動しながらほぼワンオペで、風邪やギックリ腰でも休めないギリギリ体制で働いていました。
事務所の近くのクリニックに通っていたため週3日の事務所勤務日の定時後しか通院できず、タイミング法でも仕事との両立しずらさはすでに感じていました。
これはもう、辞めるしかない!
辞めたら貧乏になるけど、1年くらいなら貯金で食いつなげるしあとはおっくんに頑張って貰うしかない!
鼻息荒くおっくんを説き伏せ、小さい会社なのでいきなり社長に辞める旨を伝えることにしました。
もう辞めるので何を思われても関係ないわと不妊治療のことを包み隠さず打ち明けました。
辞められたら困るよ〜と泣き落としにかかってくると予測して身構えていたのですが、田熊が説明を終えたあと社長はしばらく黙り、そしてゆっくり言いました。
「わかった。不妊治療を最優先できるように今の田熊さんの仕事を全部調整する。勤務場所を事務所のみにして、急に休んだり中抜けで病院に行っていいようにする。そしたら会社を辞めないで続けてくれますか?」
突然の好条件の提示に辞める気満々の田熊は脳内でパニックを起こしました。
ほんとにそんなことできるのか?
でもそれが本当なら会社を辞める必要もなくなるわけで。
でもそれができるならこれまで熱が出てもギックリ腰になっても無理して通勤してた田熊のこれまでの努力は何だったのか?
でも不妊治療にはお金がかかるからお給料をもらい続けることができるのはとてもありがたい。
でも仕事が少しでもストレスになって卵子に影響するのは嫌だなぁ。。。
結局、その日の朝から辞職の意を伝えることだけに集中して気合いを入れていた田熊は
「ありがとうございます。仕事続けます」
と社長に感謝を述べ、フルタイム正社員として働きながらの不妊治療の道へ歩みを進めることとなりました。