当事者になる前から「体外受精=注射」ってくらい、高度不妊治療に進むと注射を打ちまくるイメージを持っていましたがついに田熊にもその時がやってきました。
しかも自己注射。
卵を育てるためと渡された注射器はペンタイプというもので、普段病院で目にする注射器とはずいぶんと異なる見た目をしていました。
ペンの本体に薬液が入っていて、打つたびに先端の針部分だけ交換するシステム。
中の薬液を使い切ったらペンごとポイ。
初回の自己注射を家で一人で打つことになってしまった田熊は打ち方の動画を繰り返し見て、打ち方の説明書を入念に読み、手を綺麗に洗い臨みました。
薬液の中の空気を抜き(抜けたのかよくわからなかった)、おヘソの下をアルコールでふき、注射器のメモリを指定された数字に設定し、いざ!
…いざ!
切腹体勢で息を止め、めちゃくちゃ細い針をお腹に垂直に突き立てると、こちらのゲロ吐きそうなほどの緊張感に反して「スッ」とコンマ1秒の抵抗もなく針が腹肉へ吸い込まれました。
注射器のおしり部分を親指で押し込み薬液を注入。
10秒待ってからまた息を止め、垂直に針を抜きました。
お腹の刺したところをアルコールでふいて、絆創膏を貼って、終了。
初めての自己注射の感想は
「まったく痛くなさすぎて驚き」
でした。