シリンジタイプの注射を自分で打つことになった田熊。
初回は看護師さんに見守られながら打てることになりました。
普段病院で医師や看護師さんに打ってもらう注射よりは断然針が細いらしい。
とはいえ形がめちゃめちゃ注射ですし、針も刺繍針くらいしっかり太さがあり、さらに長く、おいおい冗談じゃないのかと誰かに訴えたくなるビジュアルをしているのでした。
さりとてお忙しい看護師さんの手を煩わせるわけにもいかず、意を決して腹を出し、注射の空気抜きをし(ここで早くも看護師さんの手を煩わせました)、左手で下腹を内出血しそうなくらいギュウとつまみ、右手に持った注射器の針をつまんだ肉の山に突き立てました。
とここで予想外の事態が。
針の先端が皮膚の反発を受けて、刺さらない。
ペンタイプの時はこのままスッと針が肉に吸い込まれていったのに、この針は、入っていかないぞ?
そのまま停止していると見かねた看護師さんから
「力入れないと入っていかないんですよ〜」
とアドバイスがありました。
自分に針を突き立てるだけでも心臓破裂しそうなのに、さらに力を入れて針を肉に突き刺さなければいけないなんて...何の罰ですか...
しかしいつまでも停止しているわけにもいかず、えいやっと力をこめました。
すると「プツッ」という感覚と共に針が皮膚を貫通し腹の中に吸い込まれていきました。
なぜかこのとき田熊はシャウエッセンを思い出しました。
針が自分の腹にズブブと入っていく恐怖映像をガン見しなければならないわけですが、針が長いので根元まで入り切るのに要する時間が長い...!
そして針を入れ切ったところで今度は薬液を押し込みました。
ペンタイプより針が太いからか、薬液が腹に入っていく時の圧を結構感じ、また恐怖。
注射一本まるまるの薬液を入れ切ったら今度は針を抜くのですが、入れる時と同じく、針が長いので抜け切るまでが長い...!
刺したところをすぐにコットンで押さえて絆創膏を貼って終了となりました。
針を刺している間は恐怖心はすごかったのですがあまり痛みは感じませんでした。
緊張しすぎて腹肉をすごい力でつまんでいたからかもしれません。
針を抜いてからの方が刺したところの周辺がしばらくジンジン痛んでいました。
刺し終えてもなお「これ毎日やるっておいおい冗談じゃないのか」と現実を受け入れきれていませんでした。
「ペンの注射も打っていきます?こっちはもう一人で大丈夫ですよね」
と看護師さんは去っていき、シリンジに比べたらなんでもないペンタイプの注射をささっと終わらせ、その日は帰りました。