5回目の移植から14日後の判定日。
田熊は3年通い続けた不妊治療クリニックで塩先生の口から初の
「妊娠反応出てますよ」
を聞いたのでした。
血液中のhCG値による判定だったので
「数値はいくつですか?」
と聞くと塩先生は
「1000弱。悪くないです」
と答えました。
いやアバウト!
でも過去の移植では数値が出ても2とか4だったことと比べれば、1000弱というのは陽性であることが明らかだと田熊にもわかる答えなのでした。
判定日は2023年12月23日。
通常は1週間後にもう一度血液検査と胎嚢確認を行うそうなのですが、クリニックが年末年始休業に入るため次の受診は約2週間後と告げられました。
ということで田熊は「妊娠してるかもしれないけどまだ確定じゃない」という宙ぶらりんの状態で 年末年始をまたぐ2週間をザワザワしながら過ごさなければならなくなりました。
もう処方されることはないと思っていたルテウム膣坐薬(苦手なやつ)を次の受診日まで毎日朝晩入れるよう言われました。
その説明の際に塩先生はこう言いました。
「もし血が出てきても膣坐薬は入れ続けてください」
「血?」
思わず田熊は聞き返しました。
「はい、少しの出血であればそのまま膣坐薬は続けてください。出血のあるなしより次の受診の時の数値の上がり方と胎嚢が見えるかどうかが重要なので。ですがもしすごくお腹が痛くなったりチャプチャプに出血した場合は救急車を呼んでください」
「チャプチャプ?」
田熊はまた聞き返しました。
「はい、チャプチャプの出血の場合は、救急車」
塩先生に念を押され、恐ろしい言葉に戸惑ったまま診察は終了しました。
※ここで書いていることはあくまで田熊の体験談です。
お医者さんやクリニックによって考え方や治療の進め方が異なりますので詳しくはかかりつけ医や専門の方にご確認ください。