庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【妊娠反応3】ニ本線

5回目の移植で血液検査による陽性判定をもらった田熊はその日、家に帰ってやりたいことがありました。

 

多くの自然妊娠の人たちは妊娠がわかるとき、生理の遅れに気づき、市販の妊娠検査薬に尿をかけて判定窓に2本線を確認して陽性判定となります。

顕微授精をした田熊の場合はクリニックで指定された判定日に採血をして、受精卵が着床すると上がる血中hCG濃度の数値を確認して陽性判定となるため、検査薬は使いません。

 

体外受精・顕微授精の胚移植をして、妊娠判定日を待てずに自分で検査薬を使って妊娠反応が出ないか確認することを妊活界隈で「フライング」と呼びますが、田熊が過去の移植でのフライングで見た判定窓には一本しか線が出ませんでした。

 

二本線を見ること。

これがどうしてもやりたかったのでした。

 

「え、もうわかってるのに?まあ、やってもいいと思うけど」

とおっくんに不思議がられながらトイレにこもり、少し緊張しながら検査薬の採尿部分に尿をかけて水平なところに置きました。

1分を待たずして判定窓にジワジワと赤い線が浮かび上がり、それまで都市伝説なのではと疑っていた二本線がくっきり現れたのでした。