庶民的不妊録
5回目の移植で初めての陽性判定をもらった田熊はしかしお腹の中でたまごが着床している感覚がないのと、それまで長いあいだ陰性しか経験してこなかったため、いざ陽性を告げられると感動や嬉しい感情などはすぐにはわいてきませんでした。 それどころか、こ…
5回目の移植から14日後の判定日。 田熊は3年通い続けた不妊治療クリニックで塩先生の口から初の 「妊娠反応出てますよ」 を聞いたのでした。 血液中のhCG値による判定だったので 「数値はいくつですか?」 と聞くと塩先生は 「1000弱。悪くないです」 と答え…
5回目の移植から14日目。判定日。 仕事は休みにしていたので、朝イチで電車でクリニックへ行き採血をし、結果が出るまでの1時間、近くのカフェで待機していました。 3日前に妊活中や妊娠中のヨウ素系うがい薬がよくないという情報を目にし、良かれと思って風…
移植⑤の判定日(田熊の通うクリニックは判定日がBT14)まであと3日程に迫ったある日、おっくんが夜に会食があるというので田熊も仕事終わりに外で一人で晩ご飯を済ませようとカフェに入りました。 注文したカレードリアが到着するまで何気なく眺めていたSNS…
5回目の移植から6日目。 前日の寒気と腰痛から風邪の危機感を覚え早く寝た翌朝。 お次は目が覚めるとうっすらですが静脈麻酔後のような、二日酔いのような気持ち悪さを感じました。 うっすら程度で会社は休めないためそのまま起きて通勤すると気持ち悪さはい…
5回目の胚移植から5日目のこと。 朝、目を覚ますと身体に違和感を感じました。 まず、寒い。 それは冬(12月)だから、という理由ではないことは明白でした。 エアコンで暖かくした部屋でさらに羽毛布団をかけていたため田熊は毎朝寝汗をかくほどホカホカで…
5回目の移植をした日からルテウム膣坐薬の処方はストップし、プラノバールの服用が始まりました。 田熊の5回目の移植のテーマが「悔いのないように」だったので、移植直後は静かに帰宅し、早めに就寝しました。 翌日も休日だったため家で大人しく過ごそうと…
SEET液を注入してから3日後、ついに5回目の胚移植日を迎えました。 凍結融解胚移植なので、まず指定の時間にクリニックに電話で融解確認。 凍結胚が1つしかない田熊にとってはここで失敗しないかどうかが大きな第一関門なのですが、無事融解は成功していまし…
排卵確認から2日後、SEET法をしてもらうためにクリニックを訪れました。 受精卵を培養する際にできる培養液を保存しておき、胚移植の前にその液を子宮に注入して子宮内膜を着床しやすい状態に変化させるというSEET法。 田熊が実施した2023年12月時点では先進…
5回目の移植に向けて、着床しやすくするために田熊が処方されたのはルテウムという膣坐薬でした。 初めての処方ということで看護師さんからの説明があり、 「膣錠を入れた後にしばらくカスが出てくるかもしれないので、おりものシートを当てておいてください…
5回目の移植周期。 生理が始まってから9日目にクリニックを訪れ排卵チェックをすると、もうすぐ排卵しそうということでその日は排卵誘発の注射を打ちました。 2日後にまた受診し、排卵が確認されました。 過去の凍結融解胚移植で、内膜を厚くするために移植…
8回目の採卵後、1周期お休みしてから1個だけ凍結している胚盤胞を移植することにしました。 庶民なりにできることを全部やる、と決めていた田熊は食事にたんぱく質を積極的に取り入れたり乳酸菌が摂取できそうな食材を選んだり寝る前にセルフお灸をしたり早…
8回目の採卵で胚盤胞が1個だけできました。 ゼロを回避できてとりあえずホッとした次に、田熊は塩先生に胚盤胞のグレードを聞きました。 グレードは3BB。 微妙... いや、3CCしか移植できなかった過去がある田熊からしたら3BBでもありがたいじゃないかと思う…
8回目の採卵日は生理開始から19日目(D19)でした。 田熊史上最遅。 さらに直前の卵胞チェックでの最大卵胞は28ミリと巨大。 電車の振動だけで育てた全卵子が排卵してしまうのではないかとヒヤヒヤしながら、ソロリソロリと歩きながらクリニックへ向かいまし…
採卵8回目。 今回もし胚盤胞ができたら、それが何個であっても凍結して、アシステッドハッチングとSEET法をやりたい旨を事前に塩先生に伝えました。 塩先生は塩なので、 「それは胚盤胞ができたらですね。まずは卵を育てることに集中しましょう」 と言いまし…
7回目の採卵でできた分裂がゆっくりの受精卵を破棄し、田熊は8回目の採卵周期に入りました。 会社でのゴタゴタにより業務量が一気に増え、不妊治療で仕事を休むことへの風当たりが若干強くなったなか、 「移植6回、もしくは採卵10回でダメだったら、もう不妊…
7回目の採卵の受精確認日。 田熊に知らされた結果は 「卵子12個中、受精1個、5日目の時点で初期胚」 という何とも厳しい状況でした。 2つ前の採卵でも受精確認の日に同じような状況でした。 その時は採卵をしても移植にたどり着けないということ自体が辛く気…
会社で大変なことが起こった翌日、田熊は7回目の採卵後の受精確認のためクリニックへ向かいました。 従業員全員が精神大混乱の中がんばって働いているのに自分だけ休むのは少々気が引けましたが、自分の人生も大事だし、そもそも受精確認はずらせないし、と…
7回目の採卵から4日目。 田熊は受精確認を翌日に控え、まったく集中できないポンコツ状態で最低限の仕事をこなしていました。 その日、社長から従業員全員(と言っても10人程度)に話があると皆が集められ、総務を担当していた女性が事故で意識不明重体、職…
2023年9月、田熊は無事7回目の採卵を終えました。 卵子は12個採れて田熊にしてはまずまずの結果でした。 が、麻酔後の体調不良がすごい。 前日の絶飲食開始時間直前まで水分を十分摂り対策はバッチリしたはずだったのですが、久しぶりの麻酔だったからなのか…
2023年9月。 田熊は2周期のリフレッシュお休み期間を経て、7回目の採卵周期を開始しました。 薬なし通院なしの日常生活と旅行によって心身ともに健康を取り戻し、再開した毎日の自己注射を無の感情でこなし、ホルモンによる体調不良も穏やかにやり過ごしてい…
2023年7月。 不妊治療をお休みして箱根旅行に出かけたおっくんと田熊。 有名神社には行かなかったものの、大涌谷や彫刻の森美術館など主要観光スポットをめぐり、美味しいご飯を食べ、温泉に浸かり、夏の箱根を満喫しました。 そして箱根湯本で食べ歩きをし…
2023年7月。 不妊治療に疲れた田熊はお休み期間をとり、おっくんと箱根旅行へ出かけました。 箱根といえば、関東屈指のパワースポット「箱根神社」と「九頭龍神社」があります。 ちょっと前の田熊だったらご利益をいただくために必ず立ち寄ったでしょう。 が…
田熊は移植④陰性宣告を受けた直後、頭の中で冷静に、不妊治療を休憩することを選択しました。 側から見れば、35歳の誕生日まであと半年を切り凍結胚のストックもない状態なら、1カ月でも若い卵子を摂ることが最善のように考えられますし、田熊もそのことは理…
移植④の陰性を塩先生に告げられた田熊。 ショックはショックでしたが3回目までのズシンと重いものとは異なり診察室を出る頃には、なんだかそうなる覚悟がすでにできていたのかもしれないと考えたりしていました。 陰性宣告を受けるのも慣れたもんだわと待合…
※2023年7月頃のお話です。 4ABの5日目胚盤胞を移植して14日後、採血をして判定の時を迎えました。 待っている2週間の間、妊娠初期症状みたいなものは一切ありませんでしたが、移植4回目にして初めてAのつく胚だったこともあり、やはり多少の期待は抱いていま…
6回目の採卵から5日目の受精結果では4ABの胚盤胞が1つだけできていました。 卵子が12個とれて胚盤胞1個なので成績としては悪いのですが、ゼロを何度も経験しているうえに直近の採卵結果がギリギリ7日目胚盤胞1個のみだった田熊の中では「5日目胚盤胞が1個で…
2023年6月。 ギリギリまで卵胞を育てて実施した6回目の採卵では12個の卵子が採れました。 いつもよりホルモン補充の期間と量が多かったせいか採卵日の夜から翌日まで下腹部痛があり、鎮痛剤を飲みました。 受精確認までの5日間は過去5回の採卵周期では新鮮胚…
ここ2回の採卵での卵の発育の遅さと成熟卵の少なさに鑑みて、ホルモン補充期間を多めにとって卵胞を平均より大きく育てる方針となりました。 これまで10日ほどだった自己注射期間が2週間ほどに。 期間延長に比例して日々の体調の悪さが増していき、仕事のパ…
ダメ元で遂行した移植③が陰性に散った田熊はそれなりにショックだったので治療を休もうか少し迷いました。 しかし気づけば35歳の誕生日はあと半年後。 高齢出産は35歳からですが、不妊治療界隈でも35歳から卵子の数が減少する、卵子の質が落ちる、着床率が落…