庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【採卵4回目4】手芸屋


採卵④から5日後。

田熊は受精確認のためクリニックを訪れました。

 

採卵では最終的に8個の卵が採れていました。

採卵①②では胚盤胞ゼロでしたが卵子活性を行った採卵③では胚盤胞が2個できたという成功体験もあり、今回も卵子活性を行うので大丈夫だろうと幾分落ち着いて結果を待っていました。

 

ですので、胚盤胞ゼロの結果を聞いた時、なんで?と思いました。

 

そもそも8個採れた卵のうち顕微受精に適した成熟卵は1個だけで、その一個は受精はしたものの初期胚で分割が止まってしまったとのことでした。

これにて採卵④は終了。

リセットが来たらまた次の採卵に向けて卵を育てましょうという説明で終わりました。

 

診察室を出て待合室で会計待ちをしているとき、通りがかる看護師さんも受付の事務員さんも待合室にいる他の患者さんも、みんな心の中で田熊のことを哀れんでいるのではないかと錯覚するほど自分が惨めで恥ずかしくて消えてしまいたくなりました。

 

その日はクリニック終わりに近くの手芸屋さんへ向かいました。

少し前に購入したミシンでバッグを作るために生地を探しに行くから帰りが少し遅くなるとあらかじめおっくんにも言っていたのでした。

沈んだ気持ちのまま手芸屋さんへの道を歩いていましたが、到着する前にまさかの涙が出てきてしまって、これではお店に入れないとしばらく駅ビルのトイレで顔を拭いていました。