2023-01-01から1年間の記事一覧
2023年5月。 採卵のため、田熊は処置台に寝転がり天井を眺めていました。 いつものように痛み止めの薬が点滴で入れられると頭の中がモヤがかったようになりました。 そしていつも通り塩先生が処置室に入ってくると静脈麻酔を入れる合図が出されました。 今回…
※2023年5月ごろの話です 採卵周期中のおっくんの隠れ飲酒が発覚し、怒り狂った田熊が 「子ども欲しいんじゃないの!?」 と問い詰めると、おっくんは小さな声で 「そうだけど・・・こんなにできないものだと思ってなかったんだよ」 と言いました。 その言葉…
採卵④の胚盤胞ゼロ結果の精神的ダメージが思いのほか大きく治療を休みたい気持ちはあったのですが、あと半年と迫る35歳の誕生日への焦りの方が勝ち、休憩を入れずまた採卵周期に入りました。 前回同様卵の育ちがゆっくりで、注射を追加するごとに田熊の心の…
採卵④から5日後。 田熊は受精確認のためクリニックを訪れました。 採卵では最終的に8個の卵が採れていました。 採卵①②では胚盤胞ゼロでしたが卵子活性を行った採卵③では胚盤胞が2個できたという成功体験もあり、今回も卵子活性を行うので大丈夫だろうと幾分…
4回目の採卵直前説明。 もはや説明していただく必要もないくらいすべて頭に入っていましたが、決まりなので一点一点確認しながら看護師さんの説明を聞いていました。 その日の看護師さんは初めて会う方で、 「田熊さんは静脈麻酔で気持ち悪くなったりします…
2023年4月頃。 田熊の場合、採卵周期も4度目になると通院のスケジュールや採卵日も大体読めるようになってきて、仕事やプライベートとの調整も困ることなくこなせるようになり若干調子に乗っていました。 ある通院日、もう3〜4日後には採卵になるだろうとす…
2023年4月。 4回目の採卵に向けてホルモン補充を開始しました。 採卵を始めたばかりの頃、何か趣味に打ち込もうにも常に妊活のことを考えてしまい何も手につかなくて、じゃあいっそのこと自分の妊活のことを振り返って記録していこう、と始めたのがこのブロ…
慢性子宮内膜炎検査の子宮内膜採取でまあまあ大変な思いをした3週間後。 塩先生に言い渡された検査結果は陰性でした。 慢性子宮内膜炎ではなかったということです。 疾患がなかったら普通は喜ぶべきことなのですが、この時の田熊、原因不明不妊で移植2回とも…
静脈麻酔のトリップから生還しホッとしたのも束の間。 なんだか息が吸いにくいことに気づきました。 頑張ってマラソン走った後のような。 なんだか変だぞ?とヒイヒイ息を吸っていると、今度は下腹部が痛みだしました。 じわじわと鈍かった痛みはすぐに重く…
慢性子宮内膜炎の検査のための子宮内膜組織の採取。 処置台に仰向けになり、塩先生の 「麻酔をお願いします」 の合図を聞き深呼吸をしていつもの眠気を待ち構えていると、目の前がだんだんと黄色くなってゆきました。 黄色? と困惑したところで後頭部をつか…
慢性子宮内膜炎検査当日。 採卵のときと同じように前日夜から絶飲食。 朝はシャワーを浴びてスッピンメガネでクリニックへ向かいました。 手術着に着替えいつもと同じ手術台に仰向けになると、しばらくして塩先生が部屋に到着しました。 「まずは子宮口を広…
2023年2月。 2回の移植でhCGゼロだった田熊は採卵④の前に慢性子宮内膜炎の検査を受けることにしました。 生理開始から10日目にクリニックへ行き、そこから何度かチェックに通いつつ筋肉注射で内膜を厚くし、排卵を確認してから検査日が決まりました。 子宮内…
2度の移植でかすりもしなかった田熊に塩先生から提示された自費の治療のリストをながめて、田熊はオヤ?と思いました。 そこには「着床前診断」の文字があったのでした。 体外受精・顕微授精でできた胚盤胞の細胞を検査し、その胚盤胞の染色体に異常がないか…
胚盤胞移植で2回着床しなかった田熊は塩先生から次に実施可能な検査と治療法を提案されました。 顕微授精で受精卵を培養する際にできた培養液を別に凍結しておき、移植周期にまず凍結しておいた培養液を解凍して子宮内に注入する。 その2〜3日後に胚盤胞を移…
2度の移植で胚が子宮内膜にかすりもしなかった田熊は塩先生から自費の検査を提案されました。 子宮内膜に慢性的な炎症があると良好胚を戻しても妊娠しなかったり流産してしまうことがあるらしく、その炎症があるかないかを調べる検査。 反復着床不全や流産を…
2回目の胚盤胞移植、初の凍結融解胚移植から14日後。 田熊に告げられた結果はhcg0の陰性でした。 3回目の採卵でやっとできた2個の胚盤胞は消え去りました。 落ち込む田熊に塩先生から次の採卵の説明、ではなく、次の3つの提案がなされました。 ・慢性子宮内…
無事に2回目の胚移植を終え、また判定日までの2週間分のピルを処方されました。 移植から4日目。 その日はなんてことない普通の勤務日で、夕方になりそろそろ集中力も途切れていた頃でした。 なんか、気持ち悪い。 最初は気のせいかと思っていたのですが時間…
2回目の胚移植当日。 はじめての凍結融解胚移植はまず指定された時間に自宅からクリニックへ電話をかけるところから始まりました。 凍結胚を融解する際に5パーセントくらいの確率で胚が変性してしまい移植が中止になることもあるため、融解が成功したかどう…
2023年1月。 田熊は移植周期を迎えました。 迎えましたと言っても生理開始から10日目にクリニックへ行くよう言われていただけなのでそれまで特に何もせず、普通の生活を送るのみ。 10日目にチェックに行くとまだ排卵していなかったため、排卵を促すために久…
楯岩鬼怒姫神社をお参りして大吊橋を戻って来た頃には肩も足も溶けた雪が染みてびしょびしょになっていました。 大吊橋の麓に「足湯カフェ」の文字をみつけ、田熊とおっくんは吸い寄せられるように建物に入っていきました。 文字通り足湯に浸かりながらお茶…
雪に埋もれかけながらたどり着いた日光・鬼怒川。 観光スポット・鬼怒楯岩大吊橋には大雪にも関わらず、田熊夫婦と同じように日光旅行を強行した旅行客がまあまあいました。 9割が若者でした。 大吊橋を渡った先には山肌に沿って作られた簡易な階段があり、…
2022年の年末頃。 待望の胚盤胞移植1回目が陰性に終わり傷心の田熊とおっくんは憂さ晴らしに旅行に出かけました。 行き先は日光・鬼怒川温泉。 希望宿泊日5日前に宿を探して土日にも関わらずなぜか予約できてラッキーと思っていたら当日は日光でも数年に一度…
はじめての胚盤胞移植はhCG0の陰性に散った田熊。 帰宅しておっくんにダメだったことを告げるとおっくんは 「まーー確率35パーセントくらいだっけ? 1回じゃそううまく行かないかー。3回やって当たるかどうかってことだもんね」 と爽やかに言い放ちました。 …
胚盤胞移植から14日目の判定日。 会社の昼休みにした採血の結果を聞きに、定時後クリニックへ駆け込みました。 気を抜くと口から心臓が出そうになりながら待合室で待つこと5分。 看護師さんに呼ばれ診察室に入って椅子に座るやいなや塩先生の口から聞こえた…
胚盤胞移植をした日から14日後。 待ちに待った判定日がやってきました。 と言っても田熊は朝から通常通り出社。 人工授精と採卵ですでに休みを取りすぎている感があったためどうしてもずらせない時間指定がある時以外は仕事を休まないようにしようと思い、9…
初めての胚移植から7日がたった頃。 田熊は悩んでいました。 田熊のクリニックでは判定日は移植から14日後と言い渡されていたのですが、SNSを見ていると7日後や10日後に判定日という方も少なくないのでした。 7日目にはもう着床してるかしてないかある程度わ…
胚移植後の過ごし方について、塩先生からは 「何も制限はなし。普段通りの生活を」 と言われました。 そう言われたのだから普段通り過ごせばよいのですが、そこは不妊脳。 「胚移植後 過ごし方」 「胚移植後 着床 何日目」 「着床時期 やってはいけないこと…
胚移植翌日から判定日までの2週間、田熊は塩先生から、子宮内膜を厚くし着床をサポートするための中容量ピルを飲むよう言われました。 薬の説明の際、 「人によってはこの薬を飲むとすごく気持ち悪くなってしまう場合があります」 と普段塩対応の塩先生が珍…
はじめての胚移植は滞りなく終わり、田熊はその足でマクドナルドへ向かいました。 妊活界隈で流布されている、移植後にやると着床するジンクスなるものがあり、その中でも最も簡単な 「マックポテトを食べる」 を実行するためでした。 不妊治療で精神が追い…
塩先生が到着すると胚移植はあれよあれよと進みました。 看護師さんが田熊の腹にエコーの器械を押し付け、塩先生が田熊の股の奥をゴイゴイ広げて何か(たぶん管)を奥まで入れ、なんかちょっと「しん…」と5秒くらいの間があったのち、塩先生が唐突に 「オッケ…