田熊は移植④陰性宣告を受けた直後、頭の中で冷静に、不妊治療を休憩することを選択しました。
側から見れば、35歳の誕生日まであと半年を切り凍結胚のストックもない状態なら、1カ月でも若い卵子を摂ることが最善のように考えられますし、田熊もそのことは理解していました。
ですが、採卵と移植を連続して行ってきて、完全に己のメンタルの限界が見えていたのでした。
季節は夏。
しかも酷暑。
前年の暑い最中でのホルモン補充と採卵を思い返しても決して万全だったとは言えず。
7月、そしてクリニックのお盆休みがある8月と2周期見送ることを決断しました。
そして恒例の気晴らし夫婦旅へ出かけることにしました。