庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【妊娠反応2】報告

5回目の移植で初めての陽性判定をもらった田熊はしかしお腹の中でたまごが着床している感覚がないのと、それまで長いあいだ陰性しか経験してこなかったため、いざ陽性を告げられると感動や嬉しい感情などはすぐにはわいてきませんでした。

それどころか、ここまで陰性を繰り返している田熊を哀れんで、ついに塩先生が陽性と嘘をついたのではないかと少し疑いました。

(絶対そんなことはなく、完全に田熊の妄想です)

そんな疑いを抱いているとは塩先生に言えるはずもなく、全く実感のないままお会計を済ませて帰りの電車に乗りました。

 

家の最寄り駅にはおっくんが車で迎えにきてくれていました。

車で待っているおっくんを視界にとらえた時に、さて伝え方どうしよう、と一瞬迷いましたが、田熊がクリニックへ判定を聞きに行ったことを知っているおっくんに今更サプライズもできないし、落ち着いて向き合って話すといっても家に着くまでそのことを話題に出さないのは不自然で無理だな、と思い、すぐに考えるのをやめました。

 

田熊は車のドアを開けて助手席に乗り込み、シートベルトを着用してすぐに

「陽性だったよ」

と言いました。

 

おっくんは

「え?あ、おお、え?」

と変な声を発し、一瞬きょとんとした後、こちらに向かって片手を大きく掲げました。

田熊も片手を掲げて、二人でハイタッチをしました。