庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【胚移植4回目2】陰性慣れ

※2023年7月頃のお話です。

 

4ABの5日目胚盤胞を移植して14日後、採血をして判定の時を迎えました。

待っている2週間の間、妊娠初期症状みたいなものは一切ありませんでしたが、移植4回目にして初めてAのつく胚だったこともあり、やはり多少の期待は抱いていました。

 

名前を呼ばれて診察室に入ると塩先生は

「妊娠してるかどうかを示す数値は4でした」

と言いました。

4・・・前回は2でしたが、ということは・・・?

「数値が低いので、今回も着床しかけたけれども妊娠には至らなかったのでしょう」

 

ダメだった。

Aがついていたのに。

 

移植4も陰性判定となりました。

しかしこの時田熊の頭の中では「陰性だったショック」よりも保険適用の移植があと2回しかできないことへの問題意識が大きく占めていました。

頭の片隅ですでに次の採卵・移植をどうするかを考え始めていることに気づいて、そこでハッとしました。

 

陰性だったのに、以前ほどショックを受けていない。

もしかして自分、陰性告知に慣れてしまった?

 

過去3回ダメだったからどうせ今回もダメだろうという考えにいつの間にかなってしまっていたのか、ショックを緩和させるために自分の脳みそがそのように働いていたのか正しいことはよくわかりませんが、不運に慣れてしまった状態が良くないということだけははっきり感じました。

 

 

【胚移植4回目1】初A

6回目の採卵から5日目の受精結果では4ABの胚盤胞が1つだけできていました。

卵子が12個とれて胚盤胞1個なので成績としては悪いのですが、ゼロを何度も経験しているうえに直近の採卵結果がギリギリ7日目胚盤胞1個のみだった田熊の中では「5日目胚盤胞が1個でもできてよかった」という安堵の気持ちが一番大きかったです。

グレードに"A"のつく胚盤胞ができたのも初めてでした。(6回もやってるのに)

見た目のグレードと染色体異常の有無は相関しないとわかっていても、それまで結構もう限界まで落ち込んでいた気持ちを浮上させるきっかけになりました。

 

前回の7日目4CC胚盤胞移植の決断時には渋い顔をしていた塩先生が

「分割スピードも悪くないですし、Cでなければ、AかBなら見た目は問題ないので、移植に適した良好胚だと思いますよ」

と明るめの表情で言っていて、

ああ、やはり前回の移植は塩先生にとっても超厳しい賭けだったんだろな...と思いました。

 

【採卵6回目3】がんばり

2023年6月。

ギリギリまで卵胞を育てて実施した6回目の採卵では12個の卵子が採れました。

いつもよりホルモン補充の期間と量が多かったせいか採卵日の夜から翌日まで下腹部痛があり、鎮痛剤を飲みました。

 

受精確認までの5日間は過去5回の採卵周期では新鮮胚移植に備えて食事・運動・睡眠など規則正しい生活を心がけていたのですが、6回目はなぜかここに来て気持ちがプッツリと途切れてしまいました。

コンビニでご飯を買い、ウォーキングをサボり、お酒の席に赴き...

ああ、これまでの努力を無駄にしているかもしれないと思ったけれど、なぜかもう全然頑張れなくなっていました。

 

 

【採卵6回目2】延長

ここ2回の採卵での卵の発育の遅さと成熟卵の少なさに鑑みて、ホルモン補充期間を多めにとって卵胞を平均より大きく育てる方針となりました。

これまで10日ほどだった自己注射期間が2週間ほどに。

期間延長に比例して日々の体調の悪さが増していき、仕事のパフォーマンスはニワトリレベルに。

人に何か聞かれても考えて解決策を提示できるだけの余裕もなく、そろそろ社内で嫌われるんじゃないかと危惧し始めました。

 

期間延長に伴い自己注射回数が増え、注射器回収ケースはパンパンに。

いかにして全ての使用済み注射器をケースに入れ切るかに夫婦で挑戦していました。

【採卵6回目1】焦燥感

ダメ元で遂行した移植③が陰性に散った田熊はそれなりにショックだったので治療を休もうか少し迷いました。

しかし気づけば35歳の誕生日はあと半年後。

 

高齢出産は35歳からですが、不妊治療界隈でも35歳から卵子の数が減少する、卵子の質が落ちる、着床率が落ちるとそこかしこで言われているため、35歳という数字はひとつの区切りとしてずっと意識をしていました。

塩先生からは、35歳の誕生日からいきなり妊娠力がガクッと落ちるわけではなく、加齢に応じてゆるやかに落ちていっているので1周期でも若い卵をとり、1周期でも若い子宮に戻すのがよいとされると説明を受けていました。

 

自分の老化への焦りを抑えられず、田熊は間髪入れず次の採卵周期に突入しました。

 

【胚移植3回目2】測定限界値

ダメ元でお腹に戻した7日目胚盤胞4CC。

田熊は移植翌日から体調不良をぶり返し朝は平熱、夜は微熱、各種風邪症状の出現という基礎体温も初期症状も何もアテにならない状態となりました。

期待値がゼロに近かったことは違いありませんが、むしろこの絶望的な条件で着床という奇跡が起き得るのが生殖医療なのでは…なんて1日に1回くらいうっかり考えたりしていました。

そんなこんなで迎えたBT14判定日。

 

結果、hCG2。

 

2って何…

 

塩先生によるとBT14で妊娠の可能性が見込める数値は3ケタ。

今回2の数値が出たということは着床しかけたのかもしれないけれど継続できなかったのでしょうと。

今回の移植で着床できることはわかったので子宮内の環境は問題なく、おそらくは卵の染色体異常でしょうと。

こうなったらあとは良い卵が採れるのを待つだけです…と。

 

残念な結果ではありましたが、ダメ元7日目4CCは「たぶん田熊の子宮は着床できる環境である」という微量の希望を与えてくれました。

 

※2023年5月頃の話です。ここで書いていることはあくまで田熊の体験談です。治療の進め方や考え方はお医者さんによって様々ですので、専門家や担当医の方にご相談ください。

【胚移植3回目1】低グレード


採卵から7日目。

どうにかこうにか1つだけ胚盤胞ができました。

 

グレードは4CC。

 

7日目な上に低グレード。

見た目の評価と染色体異常のアリナシは相関ないとはいえ、CCとは、心許なさがすごい…

しかし今後の採卵で胚盤胞ができないということもありえるし、そもそも今回移植に辿りつかなかったらもう心がもたないかもと思いながら挑んだ5回目の採卵。

 

3回目の移植はダメ元は重々承知の上で、自分の心を守るために遂行しました。

 

 

※2023年5月頃の話です。ここで書いていることはあくまで田熊の体験談です。治療の進め方や考え方はお医者さんによって様々ですので、専門家や担当医の方にご相談ください。