庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【採卵3回目3】無限採卵

腎臓結石の除去手術で身体が弱ったところにインフルエンザワクチンを打ったせいなのかおっくんの体調不良は長引き、起きて普通のご飯が食べられるまで回復したのは結局採卵の2・3日前でした。

田熊には普段夫婦二馬力でやっていた家事を一人でやらなければならないということがなかなか負担となりました。

仕事も家事も通院も注射もどれも今すぐ投げ出すわけにはいかないのでなんとかこなして疲れ切って寝る日々。

キャパシティオーバー気味の頭に何度も「仕事辞める」の文字が浮かびましたが、庶民・田熊にはその選択肢は選べないことがわかっていました。

 

そもそも田熊は妊娠したら仕事を辞めようと思っていました。

だったら妊娠していなくとも前倒しで辞めてもどうにかなりそうなものですが、3回目の採卵周期を迎えた田熊にはやめられないのでした。

なぜなら、あと何回採卵するかわからないから。

保険適用になったとはいえ、採卵では通院のたびに万単位のお金が飛んでいきます。

一度の採卵で保険適用の移植6回分の胚盤胞が凍結できていればあるいは仕事を辞める勇気も出たのかもしれませんが、田熊はそれまで2回の採卵で胚盤胞到達率ゼロ。

田熊とおっくんは高度不妊治療に進む際、移植を6回してダメだったら諦める、となんとなく決めていました。

しかし、その前段階の採卵を繰り返すことになることは予想していなかったため、胚盤胞ができないときに採卵を何回までやるかは決めていませんでした。

もし仕事を辞めた場合、貯金の急激な減りに精神をすり減らしながら採卵を繰り返せるのはせいぜい2・3回でしょう。

でも、仕事を辞めなければ金銭的には何回でも採卵を続けられるのかもしれない。

そう考えると、まだ田熊には仕事を辞める勇気は出ないのでした。