処置台に横たわる田熊の横で繰り広げられた胚培養士さんによる胚盤胞講座が終わり、ついに移植の時間がやってまいりました。
看護師さんが手際良く田熊の脚を開いて固定すると、すぐに塩先生がいつもの感じでさっさと部屋に入ってきました。
次に看護師さんは田熊の下腹部にかかっていたタオルをペロンとめくり、あらわになった田熊の腹にジェルみたいなものを塗り、エコーの器械を下腹に押し付けたのでした。
は、恥ずかしい…!
タイミング指導から人工授精、採卵を経験した田熊はガニ股開きでお医者さんに股の奥を見られるのはもはや何の感想も生まれないほどまでに慣れていたのですが、それまで意識ある状態で出す機会がなかった腹を不意打ちで丸出しにするはめになり、いきなり恥部を見られたかのような羞恥心が発生したのでした。
だらしない田熊の腹に看護師さんがエコーの機械をグッと押し付けるたび、
あっムダ毛は!ムダ毛処理はどうだったっけ!?
と腹毛の有無を気にすることになりました。