妊活開始から半年が経った2021年2月、田熊は不妊専門クリニックを訪れました。
こじんまりとしたクリニックで、待合室のピンク色のソファには3名の女性が座っていました。
受付で初診であることを伝えると
「これに記入してください」
とA4用紙2枚の初診票を渡されました。
記入して提出し、長くなるであろう待ち時間のために用意してきた本を開いておよそ5分。
「田熊さーん」
と看護師さんに呼ばれました。
先ほど書いた初診票に記入漏れでもありましたかと思ってついていくとまさかの診察室へご案内。
はや!
不妊専門クリニックといえば待ち時間1・2時間はザラっていろんなところに書いてあったのに、はや!
入室するとそこには塩対応と噂の先生が座っていました。
初診票に記入した内容をさらっと確認後、
塩「妊娠を希望して6か月?」
田「はい」
塩「最後の生理開始から9日目?」
田「はい」
塩「じゃあ本日基礎検査ができます。血液検査でホルモンの値、感染症にかかってないかどうか、精子を排除しようとする抗体がないかどうかを調べます。やりますか?」
田「え?あ、はい」
はやー!
初日のカウンセリングで検査日や治療方針を決めるものだと気楽に受診した田熊は急な展開に何を言われているのかもよくわからないままカジュアルに大量の血液を手早く抜かれてその日の診療は終了しました。
いやまあ検査を受けたくて来たからいいんですけどね。
回転率を上げるための塩対応なのかもしれない...