クリニックでざっくりと体外受精の説明を受け帰宅した田熊。
すぐに次周期から体外受精にステップアップすることになった経緯をおっくんに話しました。
おそらく田熊より10倍くらい子供が欲しいおっくんは異議なし。
がしかし、避けられない検討事項がひとつありました。
それは、お金。
自費での体外受精といえば1回で50万円とも70万円とも噂され、庶民の田熊家には切腹並みに勇気のいるお値段でした。
というかどう見てもハナから庶民を相手にしていない価格設定。
しかし時は2022年6月。
不妊治療保険適用が開始されて3カ月が経とうとしていました。
保険が適用されるとなれば3割負担。
つまり1回で15〜20万円。
安い!!
・・・嘘!高い!!!!!
保険適用で庶民にも手の届く金額になったことは本当にありがたいのですが決して安くはない。
なぜなら体外受精の成功率は30〜35歳で40%弱。
人工授精よりは格段に確率があがるわけですがウン十万円をポンと賭けられる勝率でもあるまい。
成功せず2回も3回も繰り返したらすぐに貯金が溶けます。
本当にこんなギャンブルみたいな世界に足を踏み入れて大丈夫なのかしら?
と眉間にシワをよせてうなりながらクリニックから貰った資料を眺めていた時、とある漢字の羅列が田熊の目にとまりました。
「高額療養費制度を利用できます」
そうか!
保険適用されたから、高額療養費制度が利用できるのか!
急に頭の中の霧が晴れ、希望の光が差し込んできました。