その日、田熊は卵を育てるペンタイプの注射と排卵を抑制するシリンジタイプの注射を打つことになっていました。
針が太く長いシリンジタイプも刺してしまえばたいして痛くないことを1回目の採卵周期の経験から知っていました。
なかなかに太い針を眺めつつ、いや意外と大丈夫だからと自分に言い聞かせ腹の肉を潰さんばかりにつまみあげ鋭利な針先を腹に垂直に突き立てました。
ググっと力を入れると針先が皮膚を突き破り腹の中へ。
とその瞬間、いつもと違う感覚がありました。
あ、あれ?いたい、いた、いたたたたイタイ!!!
まさに「針で刺されました」という痛みが襲ってきたのです。
何か内臓刺したのか!?
と不安になるくらい痛かったのですが一度刺し始めた針を引き抜くわけにもいかずそのまま針を腹に押し込めました。
が、激痛。
一人で「いていててて」と喋りながらなんとか針を根本まで刺して薬液を注入。
それも痛い!!
なんじゃこりゃ!!
針を引き抜くのも激痛。
絆創膏を貼ってからもしばらくジクジクと患部の痛みは消えませんでした。
これが、痛点…?