胚盤胞移植を目指す田熊は採卵から5日後に受精確認のためクリニックを訪れました。
採れた卵子は9個。
保険適用の移植回数は6回なのでできれば胚盤胞が一気に6個できていれば嬉しいところだけど、胚盤胞到達率は50%以下と聞くから少なく見積もって3個できてれば御の字かしら?
と待合室でドキドキしながら待っていました。
診察室に入り椅子に座ると塩先生がメモを差し出しました。
そこには「IVF」「ICSI」の文字と何かの数字。
「えー、採れた卵子9個はすべて成熟卵でした。5個はふりかけ、4個は顕微授精で受精しましたが、分裂が止まってしまって胚盤胞にはなりませんでした」
?
??
全部?????
え、全部?????
「ですのでまた採卵からになります」
あ、全部ダメだったんだ!
50%でも3分の1でもなく、ゼロかー!
記憶の奥底から、読み漁った不妊治療関連の記事の中にあった「受精障害」の4文字が浮かび上がってきました。