庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【体外受精18】イライラ


※2022年7月頃のお話です

 

採卵周期も終盤に差し掛かった頃、これはもうホルモン補充の影響なのか毎日の注射がストレスなのかコロナにかかってはならないという緊張感なのか猛暑に強制高温期という自発サウナ状態のせいなのか採卵日が近づくことでナーバスになっていたのか全てが合わさって原因になっていたのかよくわかりませんが、田熊は凄まじくイライラしていました。

仕事で誰かのミスのしわ寄せが来ればイライラ。

以前説明したことを再度聞かれてイライラ。

無理なスケジュールをたてられてイライラ。

職場では年齢が一番下なこともありこれまでつとめて人当たり穏やかに過ごしてきたのですが、その時期は反射的に口調や態度でイライラが表に出てしまっていました。

 

ある時ついに限界が訪れました。

採卵まであと3日と迫った日の夜、その日はおっくんが仕事部屋でオンライン会議をしたあとそのまま打ち上げに移行する、と言い出しました。

正直、この大事な時期に配偶者が浮かれて飲酒するなど、飲酒どころか複数の卵胞を育てているせいで内臓が圧迫され満足に食事も楽しめない田熊にしてみれば不愉快でしかなかったのですが、仕事相手との付き合いもまあまあ大切なおっくんのフリーランス業を応援するため

「お酒は2杯まで。23時には終わりにすること」

を条件に許可したのでした。

 

飲み会好きでアラフォーまで独身フリーランスのフリーダム人間だったおっくんがそんな約束守るわけもなく。

23時に田熊がLINEで飲み会終了を促しても既読無視。

翌日も朝から通院予定の田熊は呆れながら先に床につこうとするも寝室とは廊下を挟んで向かいの仕事部屋からダダ漏れの浮かれた酔っぱらいの喋り声がうるさくて眠れるはずもなく、ついに数日間で貯まっていた田熊のイライラバロメーターが振り切れ噴火しました。

 

とはいえ画面の向こうにいるであろうおっくんの仕事相手たちに自分の寝巻き姿を晒すわけにはいかず、仕事部屋のドアを足で蹴りながら

不妊治療やめるか!?」

と怒鳴り散らすにとどまりました。

部屋の中の喋り声はやみましたがおっくんは出てこなかったので、そのまま寝室に戻って寝ました。

 

後日、なぜ出てこなかったのか聞いたところ

「普段そんなことで怒らないのにどうしたんだと思って怖くて出られなかった」そうです。

それ以来は採卵周期や検査後など、ホルモン補充をしている時の精神不安定具合を逐一おっくんに口で伝えるようにしています。